8月の生活表より

 今年の日本三大祭りの一つ、祇園祭は50年ぶりの復活で前祭りと後祭りがあるとか。伝統が息づく大切な行事の一つですね。伝統を守ること、それは紆余曲折の中にも、続けられる環境(物・人)が有る。それを受け止めて(共感して)下さる人がある。守るべきものと新しいものと向き合いながら良き変化を試みてみることではないでしょうか。

 これは、おこがましいながら、当園にとっても同じ事が言えると考えています。歴史や内容も違い、規模も全く異なりますが、ここに幼稚園が誕生して100年余り続けているということの意義です。また教育、保育を守るという大切な使命とは何かと考えたとき、それは取りも直さず子ども達の大切な「いのち」を守ることなのですね。そして、守られるのみでなく「生きる力」を蓄えることなのです。夏休みは、「いのち」について考える多くの機会がありますね。ご家庭で、どのようにその場に居合わせ、その機会に触れ、考えてみようとする心を持ってみることですね.日本国内でも海外でも多くの情報が得られます。ほんのひと時でも考えてみる「時」をお持ち頂ければ嬉しいですね。そして「自分」の今を振り返られる人々との関係性を思いやって、感謝してみるのも良い機会かもしれません。いつも、時も場も人との関係なしではありませんから。

 さて今、子ども達の育ちに課題が投げかけられています。①生活習慣の欠如 ②コミュニケーション能力の不足 ③自制心の規範意識不足 ④運動能力の低下 ⑤小学校生活の不適合 ⑥学びに対する意欲、関心の低下(自己肯定感の低下)等です。これら、素直な子どもの成長に大人が手を入れすぎているのではないかと思います。子ども達の育ちを弄り過ぎているのではないかと危惧します。してみたいこと(手の出し過ぎ)、話そうとする言葉(親子間の阿吽の呼吸の過信)、わがままと個性の取り違え(多くの支援ポケット)、育ちの環境の変化(便利過ぎ・安全な場の不足)、早期学習(上を目差され過ぎて褒められること無く自信の持てない自分)・・・etc. これは昨今、日本で言われている子ども達の姿だそうです。大人が強い心で、心して接しなければ、生きる力が守られないかもしれません。出したい手を引っ込め、言いたいことに言葉を添えながら発言させ、鳴くことで赦してしまわず、基本的な身体の動きを大切にし、ゆったりとした中での経験に基づいた学習場面を得、心に寄り添うことでしっかり子どもを見つめ、少しの喜びを共有して褒めてあげるという心和らぐ多くの場面を逃さず、大切な命に向き合った夏休みをお過ごし下さい。